プロフィール Profile

東京・お茶の水で生まれ、中学・高校と桜蔭学園に通う。小さいときから文学少女で、読書にふけっていた。視力検査ではいつも「1.0」だったが、眼精疲労、肩こりや首コリがつらく、暗い場所では極端に視力が低下し、目にはいつも悩みをもっていた。
京都府立医大医学部に進学し、京都で学生生活を送る。毎週末はお寺めぐり、俳句を作るなど充実した京都ライフを送っていたが、相変わらず、目のピントがあいにくく、夜の車の運転がしにくい、など目の不自由さを感じていた。
そんななか、眼科の先生に病的な乱視であることを指摘され、度のあった眼鏡を作成したことで驚くほど目の疲れが改善し、「よく見える」「楽に見える」ことの喜びを知り、視力検査では表しきれない「視力の質」に興味をもった。私のように、目で長年困っている人のために貢献したいと強く感じ、眼科学教室に入局した。入局後、世界最小の海でもあり、眼球の最初のレンズでもある涙の美しさに目ざめ、コンタクトレンズ、涙液や涙の成分という観点から「視力の質」を高めるにはどうしたらいいか、の研究を行った。大学院を卒業し、関東に戻り、慶應大学病院で継続して涙液の臨床研究をつづけた。そのとき、涙液のあぶらを分泌しているマイボーム腺の重要性に気づいたが、それに苦しむ患者さんが多いのに、診断法や治療法がまだ確立されていないことにショックをうける。2005年からマイボーム腺に対し赤外光を用いて簡易的に観察する装置(非侵襲的マイボグラフィー)を世界で初めて開発し、国際学会で賞賛を浴びる。これを自分の一生の仕事とすることにして現在に至る。

2012年、眼科医、一般のかた、患者さんに涙のあぶら・マイボーム腺の重要性を啓蒙するべくLid and Meibomian Gland Working Group(LIME研究会)を立ち上げる。最初は7人の眼科専門医からはじまった研究会も今や、全国の250人以上の会員と28の協賛企業からなっている。涙のあぶらの重要性をより多くの方々に発信していくことを目的に講演会・講習会・ハンズオンワークショップ・患者さん向けパンフレットの作成などActiveに活動している。国際的には涙のあぶらに関する英文論文を70報以上Publishしており、涙のあぶらに関する論文数では世界一となっている。LIME international 版も主催しており、海外のドクター50人以上がメンバーとなっている。

学歴・職歴

1994
京都府立医科大学卒業
2001
京都府立医科大学大学院博士課程修了
2002
慶應義塾大学眼科助手
2005
伊藤医院(リンク)眼科副院長
2007
東京大学眼科臨床研究員
2011
慶應義塾大学眼科講師(非常勤)
2012
LIME研究会代表
2021
日本角膜学会評議員

特許

侵襲的マイボグラフィー
R.A. holds patents on the noncontact meibography technique described in this manuscript (Japanese patent registration no. 5281846; U.S. patent publication no. 2011-0273550A1; European patent publication no. 2189108A1).
Holds patents related to noncontact meibography (Japanese patent registration no. 5281846; U.S. patent publication no. 2011-0273550A1; European patent publication no. 2189108A1).
Holds patents related to automatic measurement software for determination of meibomian gland area by noncontact meibography (Japanese patent registration no. 5856385; U.S. patent publication no. 9320439; European patent publication no. 2695570A)
Holds a patent related to a disposable eyelid-warming device containing menthol (Japanese patent registration no. 5856385)
Holds a patent related to the application of vitamin D ointment for patients with meibomian gland dysfunction (European patent publication no. 14818800)
Has applied together with KOWA Co. for a patent related to automatic analysis of dry eye based on artificial intelligence
Has applied together with KOWA Co. for a patent related to automatic measurement of tear meniscus height with the DR-1α tear interferometer

受賞

2008
ドライアイリサーチアワード
2009
日本角膜学会ベスト研究者賞
2016
最高インパクトファクター賞

国際的役割

2009-2011 Tear Film & Ocular Surface Society (TFOS) Subcommittee: International Workshop on Meibomian gland dysfunction

2010-2011 Tear Film & Ocular Surface Society (TFOS) Subcommittee: International Workshop on Contact lens discomfort

2014-2017 Tear Film & Ocular Surface Society (TFOS) Subcommittee: International Workshop on DEWS Ⅱ

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